一番近くの君へ。



「お前…何にもわかってねぇよ。」



ため息をついた孝ちゃんはあたしの横を通り過ぎてく。



…何がわかってないの?



だったら、孝ちゃんの方が意味わかんないよ。



彼女がいるクセにあたしにキスなんかして。



「孝ちゃんのバカ。」



「あ?」



足を止めた孝ちゃん。



ホントに地獄耳なんだからさ。



「なんでもありませんよーだ。」



「お前…」






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