一番近くの君へ。



孝ちゃんが悪いんだから。



あたしは階段をいっきに降りる。



孝ちゃんはそんなあたしを追いかけるかのように階段をいっきに降りる。



「ついてこないでよ!」



「嫌だね。」



「ついてこないでってば───…」



ずるっ…



前を向いてなかったあたしは階段をいちだん思いっきり踏み外す。



「きゃっ…」



あたしは反射的に目を閉じた。






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