きみコレ
アパートの皆さんと私
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−1人で暮らしているアパートの一室で、窓際の柵にもたれ掛かり、外を眺めて溜息を出す。



「仕事欲しーなー」










「…仕事欲しい仕事欲しい仕事欲しい仕事欲しい仕事欲しい仕事欲しいしご」
「喧しい!!」

呪文のように呟いていると、何時からいたのか、私が契約した部屋の、リビングとキッチンを繋ぐ廊下に、大家さんがいた。

「嫌あああああ家賃は!また明日!いや、来年!」

「締められたいのか?」


ぐぬぅ、目がマジだ。

えぇと、この人がこのアパート「White Beast」の大家さんなかなか広くて綺麗な部屋を家賃5万で提供してくれている。

私の5つ下の高校生に説教くらう毎日です。


「大体貴様は、こんな事している暇があるなら仕事を探さんか!!」

「だっ、だってぇ…」

「言い訳は聞かん!!」

「ぐみゅぅ…枢烏(クルルウ)君許して!今日パエリア作ってあげるから!」

「あー、なら仕方ない。」

「いいんだ。」

前、スペイン料理のパエリアを作った時に、大変気に入ったらしく、何かある度にこの台詞で逃れている…訳にもいかないかなー。
どーしよう!!どっかに仕事落ちてないかなー。そもそも何したいとかないし、


「ねぇねぇ枢烏君、私に合う職業って何?」

「貴様はいつも唐突だな、」

「看護師?ウェイトレス?あー、お嫁さんでも可!!」
「全て却下。まぁ…何というか、…貴様は料理だけは美味いからな。…だから…っ!?貴様ぁああ!!??何をっ」

「枢烏君可愛いなぁ、うふふふひ、うはあははは。あーっはっは!!」


顔を真っ赤にして言うもんだから、思いっきし抱き締めてみた。料理かぁ、成程!!取り敢えず明日食堂とかのアルバイト見てくるかな。


「枢烏君のお嫁さんになったげてもいーよー」

「こっ、断る!!」

「全力で拒否しないでよー」

「いいから離れろ馬鹿たれ!!」

「やーん、いけずーっ」

「貴様っ、早くパエリア作りに行かんか!!」

「チーズがないよー、買うお金もないよー。」


【こんな感じの今日この頃】
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