きみコレ

さてどうしよう。冬児さんは駄目だって言ってたけど部屋行かないと(正確には不法侵入)白石さんの手料理があ!三食!!

「やっぱり、三食+デザート付き!」

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「あれ、朝霧じゃないか」

105号室の前に座っていると黒のサングラスにマスク、帽子で顔を隠す男。いかにも不審者スタイルだが彼の場合仕方ないのだろう。

「或さん待ってましたあっ!!」

「俺をかい?ハハッ嬉しいなぁ」

マスクとサングラスを外してふにゃりと笑う佐久間 或(サクマ アル)さん。テレビで見る笑顔とは違う本当の笑顔だ。19歳にして黒髪蒼目のトップアイドルで3ヶ月前まで高級マンションに住んでいたが、女性ファンの張り込みやストーキングが激しかった為、街外れのこのアパートに移ったそうだ。
因みに或さんとフェリさんは父方の従兄弟だ。まぁフェリさんは金髪に翠目だから直ぐに納得したけど

「白石さんがベッドで待ってろって言ったので取り敢えず部屋入ってい?」

「何を言っているんだい?!!全く夜戸は朝霧に何を吹き込んで…」

「何を吹き込むの?」

「あ、れ?…夜戸は何て?」

「ベッドで待て、荷物届けろとしか言われてなーい」
そう言うと安堵の息を漏らした或さんは、夜戸の言う事は無視していいんだぞ!とドアを開いた

「じゃあそーする」

「色々貰ったんだ、食べてくだろ?」

「勿論であります!」

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「やっぱり仕事忙しい?」

「忙しいけど楽しいよ!朝霧も職が見つからないなら芸能界に入ればいいさ!!」

「無理無理!すぐ消えちゃうよー結婚したい女性芸能人ランキング最下位になっちゃう!」

「………」








「大丈夫さ、俺がいれるから」

にこりと笑う或さん。キラキラアイドルオーラ出しすぎ。まぶしいよう。そう思いながら時計に目をうつす。

「わ!ヤバい、ちょっと用事あるからまたね!」

「えー、また来てくれよ?」

「おーけーおーけー!じゃーね!荷物ここに置いとくね!!」

「あぁ、朝霧これ持って帰りなよ」

「けけけ、ケン●ッキー!!ありがとん、愛してるん!」

「は、早く行きなよっ…」


【人気アイドルと今日この頃】
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