あの夏の日の空に願う
パチパチと目を瞬かせる私。
小鳥遊 天空さんはそんな私に首を傾げ、そしてまた口を開いた。
「…風歌は、何歳?」
少し屈んで私と目線を合わせた小鳥遊 天空さんは私を指差す。
「私も17歳です」
そう答た私に感情の読めない声で「ふーん」と呟いた小鳥遊 天空さんは、「同い年なんだから、敬語いらないよ」と言って背を向けた。
そんな彼に、黙り込む私。
それに気付いたのか振り返った小鳥遊 天空さんは、「それと、」と付け足すように言う。
「…敬称とかも、つけなくていいから」
「え」
「天空って呼んで」
ふわりと笑う“天空”。
そのあまりに自然で無防備な笑顔に、私の心臓はドクンと音を立てた。