あの夏の日の空に願う






パチパチと目を瞬かせる私。


小鳥遊 天空さんはそんな私に首を傾げ、そしてまた口を開いた。




「…風歌は、何歳?」



少し屈んで私と目線を合わせた小鳥遊 天空さんは私を指差す。



「私も17歳です」



そう答た私に感情の読めない声で「ふーん」と呟いた小鳥遊 天空さんは、「同い年なんだから、敬語いらないよ」と言って背を向けた。


そんな彼に、黙り込む私。


それに気付いたのか振り返った小鳥遊 天空さんは、「それと、」と付け足すように言う。




「…敬称とかも、つけなくていいから」



「え」



「天空って呼んで」




ふわりと笑う“天空”。



そのあまりに自然で無防備な笑顔に、私の心臓はドクンと音を立てた。




< 18 / 20 >

この作品をシェア

pagetop