夢と恋と王子様
特別な笑顔
とある昼休みに
麻衣子が私の所へ
勢いよくとんできた。
「恵梨香!!
王子様と付き合ったの!?」
「はっ?」
勢いとは裏腹に
小さな声で
ひそひそと話し出した。
きっと
『王子様』
という単語は
学校中が知っているから。
「だって噂になってるよ?
氷の王子様が1年の女子と
一緒に歩いてるって……
恵梨香の事でしょ?」
「え、…氷の王子様…?」
「知らないの?」
「なんで氷なの?」
「……恵梨香ってほんと
噂とか知らないんだね」
「えぇー、気になるから
教えてよぉ」
私は麻衣子の体を
ゆらゆらと揺すぶった。