夢と恋と王子様



また初めて見る表情に
嬉しくなった。


だから思わず呼んでみた。



「………ゆう…し…?」



驚く先輩の表情も
また初めて見る表情で


嬉しかった。

とてもとても

幸せだった。



「呼ばないと思った」


「いっぱい呼びますよ?」


「…なにそれ」



二人で笑う時間は
こんなにも大切なものになっていった。


その時
夜空に満開の花が咲いた。



「綺麗っ!!」





何もかも初めてだった。

夏の花火大会


隣に大好きな人がいる。



ただ純粋な気持ちで
このままこの幸せが
続けばいいな、なんて。




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