夢と恋と王子様
秘密の場所
夏休みは明けて
また馴染みのある道を歩き
学校へ向かった。
私の視線はずっと
先輩を探していた。
「いいなぁ、恵梨香」
「なんで?」
「あたしなんて全然
恋うまくいかないもん」
「麻衣子がうまくいかないとか
ありえないんだけど!!」
「そりゃあたしだって
人間だからね」
「んー、でも実際
あたしもうまくいってるのか
スッキリしないんだよね」
「なんで?」
「だって、一緒に花火大会も行って
手も繋いでたのに
好きとかちゃんとした告白
されてないから…
先輩の気持ちがわかんない。
遊ばれてたりして」