夢と恋と王子様

秘密の場所



夏休みは明けて
また馴染みのある道を歩き
学校へ向かった。


私の視線はずっと
先輩を探していた。



「いいなぁ、恵梨香」


「なんで?」


「あたしなんて全然
 恋うまくいかないもん」


「麻衣子がうまくいかないとか
 ありえないんだけど!!」


「そりゃあたしだって
 人間だからね」


「んー、でも実際
 あたしもうまくいってるのか
 スッキリしないんだよね」


「なんで?」


「だって、一緒に花火大会も行って
 手も繋いでたのに
 好きとかちゃんとした告白
 されてないから…
 先輩の気持ちがわかんない。

 遊ばれてたりして」


< 28 / 84 >

この作品をシェア

pagetop