夢と恋と王子様
寒いせい?
驚いて隣を向き先輩の顔を見たら
真っ赤になっていた。
そんな姿を見てなぜか
つられて赤くなる自分がいた。
そんな冬休みを終え
前のように図書室に通おうと
心に決めていた。
三宅琴乃という先輩は
気にしないように、
先輩を好きでいちゃダメな理由は
何一つないから。
堂々と挑もうと決意した。
しかし
ある日図書室で一人
先輩を待っている時
扉が開いたので視線を向けると
三宅琴乃が立っていた。
「どうして………」
「へぇ、こんな所でいつも
藤岡君と逢ってたんだ」
「……………」
「あたしも一緒にいていい?
来るんでしょ?藤岡君」
いつも先輩が座る席に腰を下ろし
古ぼけたこの図書室を見回した。