夢と恋と王子様
先輩は職員室まで
一緒に歩いて案内をしてくれた。
180cmほどある背は
小さな私にとって
とても高すぎて
脚の長い先輩について行くのは
ちょっぴり大変だった。
だけど時々
ちゃんと私がついて来てるか
確認するかのように
振り向いてくれる。
そのたび私の胸は
ドキドキしていた。
とくに何も話さなかった。
ただひたすら
先輩の背中を追いかけた。
「ここが職員室」
「ありがとうございます!!」
「帰りは…大丈夫?」
「全然!!ご迷惑かけました」
「ふっ、じゃあ」
綺麗な笑顔を向けて
その場からいなくなる先輩
私は完璧
あなたのトリコになっていた。