夢と恋と王子様
必要な勇気
少しの沈黙の後
図書室の扉が開く音がした。
「藤岡君!!」
先ほどの低い声とは打って変わって
先輩に駆け寄る三宅琴乃に
明らか嫌な顔をした先輩を見て
すこしホッとした。
「藤岡君いつも
こんな所にいたんだね~。」
そう言いながら
私と目を合わせると
少し目つきを鋭くさせた。
出ていけとでも言うように。
「失礼します。」
先輩と三宅琴乃を
横切ろうとした時
先輩がふと私の腕をつかみ
出ていくのを阻止した。
「藤岡…君……?」
先輩の行動に
私よりも三宅琴乃の方が
かなり驚いていた。