夢と恋と王子様
「じゃあ、あたし
王子と一緒にいたの!?」
「なんで恵梨香は
王子の顔ぐらい
覚えてないかなー」
「………興味なかったし。
あの頃は…別に…」
あの頃は
…ね
「王子どんな人だった?」
「え……んー。
背が高くてかっこよくて
優しかった…もっと
王子気取りしてると思ってた。
でもね、全然違うの」
私は昨日の事を思い出しながら
藤岡先輩のイメージを
ありったけ麻衣子に話した。
「惚れちゃったんだ、恵梨香」
「そうなの!!……って…
えぇっ!?」
「なんか恵梨香って
感情が忙しい」
麻衣子は、けらけら笑った。
「そうだ、あたしもね
気になる先輩がいて。
この際先輩ともっと
関わっちゃおうよ」