夢と恋と王子様
「はっ、離してください!!」
「なんで?」
「なんでって…」
「大丈夫だよ。俺達
結婚するんだし。」
「…………けっこん!?」
ギュッと力を込めた先輩は
耳元でそっとささやいた。
「またあとで」
赤面する私を置いて
扉が閉まる音がした。
慣れた足取りで
再びダイニングテーブルへ行くと
父も母も、そして王子と
その両親とおもわれる二人が
しっかり席に着いていた。
「エリカ、よく似合ってるわ」
「えぇ、エリカさん
とてもお美しいですわ」
母と王子の母が
甲高い声をだして笑っていた。