赤い狼 ~棗の想い~
「棗…っ。」
稚春が泣きそうな顔をしてこっちを見てくる。
…泣くぐらいなら、最初っから俺の隣でジッとしててよ。
「へぇー。棗って言うんだぁー?カッコぃぃねぇ。彼女にはぃぃ処みせとかねぇとねー。」
…こいつ等、酔ってんな。
「…糞が。」
「あ゙ぁ゙!?」
「何て言った!てめぇ!」
「だから、糞って言ってるんだよ。つぅーかその子、早く離せ。」
なかなか稚春を離さないヤロー二人に苛々が募る。