赤い狼 ~棗の想い~






「離せって言われて離す訳ねぇだろぉ?」




ニヤリ。



男は稚春の腕を掴んで妖しく笑う。




「はぁ…。」




こいつ等マジで馬鹿なんじゃねぇの。


そんな単純な挑発に俺が乗る訳ねぇだろ。




「俺を怒らす前にその子、離せって。」




最後の忠告だ。と目の前の男共に目で伝える。




でも、




「離す気はねぇーよ?だってこんな綺麗な女、なかなか居ねぇーもん。」




それも伝わらなかったようだ。






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