青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―

俺は弁当を食べながら手札を拝見。


……わぁお、俺がジョーカー持ちか。

早速俺がババ持ちになっちまったよ。


取り敢えず、顔に出さずまずは手札のダブりを抜いていこうっと。


「そういえばさ、ケイちゃーん。噂が立ってるけど、解決したんだよねんりき?」
 
 
ワタルさんがダブりを輪の中央に放る。
 
噂…、嗚呼、俺が新入生をカツアゲしたってあれだな。
 
矢島達のせいでえらく俺、悪者扱いにされちまったけど、一応無事に解決した。

肯定の返事をして俺もダブりを中央に放る。


「チッ。矢島の野郎!」


思い出したのか、ヨウは盛大な舌打ちをしてダブりを中央の山に叩きつけた。
ははっ、ヨウにとって矢島はある意味、二度と会いたくない男だろうしな。

イケメンのヨウにブサイクなんて暴言…、矢島が美形だから言えることだよな。

俺が言ったら、それこそ世界中のイケメンを敵にするって。自分の身の程を知れって怒鳴られちまう!


「そっかぁ、解決はしたんだんご。けど噂は消えてないマンボウ。ヨウちゃーんの舎弟って時点で評判は良くなかったけど…。

んー、日が経つに連れて…、周囲に噂が侵食してるってカンジまんじ?
僕ちゃーんの教室でも結構、話題になってるし学年にカツアゲする外見は真面目の中身不良がいるって。陰湿陰険根暗等など、お耳にして」


「もういいだろワタル。矢島の一件は解決してるんだ。ケイがそういう奴じゃねえってこと、分かってるしな。仕舞いだ、この話は」
 

一々噂を話題に出すな。辛気臭くなるだろうが。
ヨウがダブりを輪に投げて言葉を制す。

見え見えの気遣いに失笑しつつ、「噂はもういいんです」俺は気にしないようにするからと明るく返す。


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