青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―

そうだ、気にしちゃ負けだ。
一件の事件でますます周囲との距離が開いちまったけど、でも俺が選んだ道だ。
 
分かってたじゃないか、ヨウの舎弟に正式になるって決めた日から。ヨウ達の仲間になったあの日から。不良達と出逢った日から。
 
肩身が狭くなった気もするけど、開き直っていかないとやってらんねぇ!

おうよ、開き直って俺は学校生活を満喫してやる!

周りなんて知らん、知るか、知ったこっちゃねえ!

と、強がりを言ってみる。
カッコお得意の心の中でカッコ閉じる、まる。


ダブりの無くなった手札を眺めていると、ワタルさんが頭を鷲掴みしてぐりぐり手の平を押し付けてきた。

「イタタッ!」

突然の行動に悲鳴を上げるんだけど、何処吹く風でワタルさんはシニカルに笑ってくる。


「なにはともあれ、これでケイちゃーんもウェルカム僕ちゃん達ワールドだよねん。ようこそブラザー! 悪評ブラザーとして歓迎してあげるっぴ。
ちなみにヨウちんは長男、僕ちん次男、ケイちんは三男坊ねん。これは悪の名が挙がった順だからよろぴく。

さあて、次は誰がブラザーになるかなーん」


「ちょい待てワタル。なんでテメェが次男だよ。テメェの方がぜってぇ噂立つの早かったぞ」


不満を口にするヨウに、いいからいいからと笑い、俺に一緒に悪として学校に名を連ねようと誘ってくるワタルさん。

彼なりの励ましだってすぐに分かった。

ワタルさん、俺を心配してくれてるんだな。
ウザ口調は相変わらずだけど、一年も一緒にいたら言動で相手が俺を気遣ってくれるかどうかすぐに分かっちまう。


ワタルさん、内面は超仲間思いで情に熱い男だしな。


分かっちまうからこそ、ワタルさんの気持ちが嬉しくて「宜しくです兄貴」と笑みを零した。

「へいカムヒア」笑うワタルさんと、

「あーあ」肩を竦めるヨウ。


舎兄は笑声交じりに言う。


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