青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―


「お前らしくない質問だな。聞くまでもないだろ? 俺の弟分はキヨタなんだ。言うことに良いも悪いも何も無いよ。
ただ、俺がこのとおり悪評だからな。お前が周りに敬遠されないかどうか心配だけど。キヨタはお前は俺の弟分だって」


パァっと目が輝くキヨタは、「ケイさぁあん!」俺の背中に飛びついて、「あ。ジョーカーがあるっすね」手札をおおっぴろげに公言。

「バッカ!」

これはババ抜きだぞ、素っ頓狂な声を出す俺にキヨタは慌てて両手で口を押さえる。

すんませんっと目で訴えてくるキヨタだけどっ、ったく、お前って奴はっ…。

かるーく青筋を立てる俺はキヨタの首に腕を回して思いっきり締め上げる。
これも兄分の友愛だ、受け取りやがれ!
 

ギャーッと悲鳴を上げるキヨタはギブですからっと苦しそうに、でも可笑しそうに笑って俺の膝を叩いた。
 

こういうところは普段通りなんだけどな…、複雑な気分だ。


なんか悩みがあるなら気軽に声を掛けてくれてもいいのに。

そりゃ親友さんのモトの方が言いやすいだろうけど、俺だってカタチ兄分なんだし。

特別兄分だからって、キヨタに何かできているわけじゃないけどさ。
寧ろ助けてもらってばっかだから何かと頼りないんだけどさ。


うーん、キヨタは俺を慕ってくれてるのにな。
 

ちょいと美化し過ぎるところがあるけど…、全力で舎弟になりたいって言ってくれてるのに。

ああああっ、なんで最近の俺って悩みが尽きないんだっ。

悩める普通少年田山圭太! 不良の思いつきで舎弟になっちまった不幸少年! 高校に進学してから何かと不良関連で悩まされてる!


不良難は今も尚、現在進行形で続いてるんだな! ガッデム!


「あ、そうだ。ワル三男坊。この機に染めちゃえば? せーっかく悪くなり始めたんだしさぁ」
 
 
教師達をビビらせればいいじゃんか、突拍子もないワタルさんの助言に俺はギョッと目を削ぐ。
 
髪染め? 俺が? キンパにしろって? キンパ田山イェーイ?


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