青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
……ジョーダンっ!
そんなことした日には教師達に目を付けられること間違いないっ。
その前に両親に説教されちまうよ。
お前、ナニ粋がって髪染めしてるんだとか鬼角生やして説教されるに違いないっ、あばばっ、小遣いだって貰えなくなる可能性も!
か…、金のアテがなくなったら利二のところでバイトできるか掛け合ってみようかな。
「そうだよケイ。染めちゃえばいいじゃんか! どうせ悪くなってるんだろ? オレ、ケイの不良姿見てみたい。ウケると思うしな!」
なるほどモトくん、ウケてくれるわけね。大いに笑ってくれるわけね。
敢えて笑ってくれるなんてお前、むっちゃイイ性格してるぞ。
ウケられた日には、多分ショックで泣くぞ俺。お家に引き篭もるぞ。すぐ髪の色、元に戻すぞ。
即答で無理だと言う俺に、「ワルじゃんか」何を今更尻込みしてるんだよ、と呆れられた。
そうは言っても、風紀検査で捕まるとメンドクサイじゃないか。
さっきも言ったけど、染めれば両親も教師も煩いし。
……これが半端者って言われる原因なのは分かってるけどさ、外見ジミニャーノを貫き通して何が悪い!
俺が髪染めしてもあんま似合わないと思うしな!
染めるとしたら、まあ健太のようにダークブラウンか?
だったら大して変わんないと思うけど。文字通り地味不良に成り下がるだけだろうな。
「ケイさんが染めるなら俺っちも染め直さなきゃいけないっスね。赤でも黄でもピンクでも俺っち、ついていきますんで安心して下さいっス!」
毛先を抓みながらキヨタはどこまでもお供すると胸を張った。
当然俺は空笑い。お前はとことん俺の真似をしてくれるのね。愛してくれてどーもだよ。
「ははっ、ケイはンなことしねぇだろうよ。根っからの生真面目不良くんだからな」
ダブり抜きを終えたヨウが確信を持って言う。