青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
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まったくもって困ったことに、ヨウは一度言い出したら絶対にこうするというタイプだ。
それが良くも悪くもあるんだけど、その実行力は確か。お仲間もお墨付きだ。
おかげさまで俺のワルデビューは今日にでもするらしい。
嫌な予感しかしないから、是非ぜひご遠慮願いたいんだけど、ヨウの一直線っぷりは誰にも止められない。
嫌ってほど、俺はそれを経験してきた。
ははっ、思い出しただけでも涙ちょちょ切れ!
語り出すと長くなるけど、まずあいつのそういう一面を見たのは俺を舎弟にしたあの日で以下省略。
だからその日、学校を終えた俺はいつもとちょい違う時間を過ごすことになった。
いつもだったらたむろ場に直行するんだけど、今日はたむろ場には行かず、ヨウに誘われるがまま舎兄のマンションに赴き、そのままお邪魔します。
マンションの五階に住む舎兄の部屋にお邪魔することになった。
記憶上、あんまヨウのところにはお邪魔した事がない。
これが初めてってわけでもないけど、お邪魔した回数は両手の十本指で数えられる程度。
一年の付き合いにしては数少ない方だ。
泊まったことも一回だけあるけど、それっきりだ。
でもこれはしゃーないこと。
ヨウの家庭が複雑だから、ヨウ自身家に帰りたがらないんだ。すこぶるご両親と仲が悪い。
その代わり、俺の家に来ることは多い。しょっちゅう泊まりに来る。もはや常連さんだ。俺の家族とも仲が良いしな。
ヨウの住むマンションは3LDKで結構リッチ、建ってからそう年月は経っていない新築さを保っている。
中も超綺麗で、ワックスでピカピカに磨かれた廊下の向こうには整理整頓されたリビングが出迎えてくれる。
俺の家なんて、テレビ回りとかテーブルの上とか物でごちゃごちゃしてるのに、一切それが見当たらない。
ご家族は綺麗好きとみた。