青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
「ヨウちゃんの家は普通に喫煙できるから良いよねぇ。僕ちーんのところは、親が煩いから、なっかなか部屋じゃ吸えないんだよねぇ」
早速ワタルさんが一服し始めた。
俺等にもおすそ分けしてくれるんだけど、マイルドセブンか。
俺、ヨウの吸ってる銘柄が一番好きなんだよな。マルボロだっけな。アレが一番美味いと思う。
なんでも吸えるんだけどさ、ヨウが一番最初に吸わせてくれたアレが一番口に合うんだ。貰ったからには吸うんだけどさ。
ライターで先端を焼いて一服していると、「ケイも悪くなったよね」外見は変わらないのにさ、とおどけ口調でハジメが指摘してくる。
ついさっきそれを心中で反省してたんだ。
指摘してくるなよハジメ。
「ケイはいつまでも真面目を貫くと思ったんだけど、そうでもなかったみたいだね」
そりゃあ毎日いる環境が環境だからな、不良に感化されるところもあるだろうさ。
それが半端者の所以なのかもしれないけどな。
失笑気味に紫煙を吐き出して、「ほんとにな」俺は生返事をする。他に反応を返せなかった。
ちょっと意外だったみたいで、「そこは笑うところだろ?」ハジメも失笑で返してくる。
あ、ごめん、空気読めてなくて。
最近の俺、おセンチ気味だからついつい。
……だぁああって、ぶっちゃけると俺、学内で噂が立ってるんだぜ! 悪い方でさ!
気にしないつったけど、やーっぱ気にするだろ!
不本意な噂を立てられちまって悲しいだろ、泣きたいだろ、チキショウって叫びたいだろ!
人からは良く見られたいってのが、人間の性分なんじゃね?! 俺、間違ってますかね?!
人からはなるべく良く見られたいっ。
今更だし、超偽善ぶったことかもしれねぇけど、そう思っちまう俺って悪い子か?! 教えておじいさーん! アルプスに住んでいるおじいーさーん!