青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―


「ファーストピアスはそれで我慢な」


セカンドピアスはリングピアスにしたらいいっと、ヨウは頬を崩した。


「テメェはリングピアスが絶対似合うと思うぜ。俺のお下がりやっから、1ヶ月経ってピアスホールができたら付けな」
  

ニッと笑みを向けられたら怒る気も毒づく気も失せる。
なんかショックを受けてた俺が馬鹿みてぇじゃん。
 
俺は鏡と再び睨めっこしてみる。

左耳には室内の照明で煌いているシルバーのボールピアスがちょことんと顔を出していた。

似合うか似合わないか問われたら、まあフツーなんじゃないかな?

似合ってないことはないと思うよ。


特別似合ってるわけでもないけどさ。


ピアスのせいでなんだか真面目な身形もちょい不真面目に見える。

すっげぇワルイコトをした気分になるけど、どーしょうもねぇしな…、これ。あけちまったもんはしゃーない。


取り敢えず感想として、「目立たないことを願うよ」苦笑いを零して肩を竦めてみせた。

それしか返せる反応が思い付かなかったんだ。
   
  
 

その日の暮夜。
 
俺はヨウ達と一緒に近場の公園で、ちょっち悪い飲み食いをした。

飲み食いの何が悪い?
いや申し上げにくいんだけど、簡単に言えば俺達飲酒したんだ。

コンビニじゃ身分証明書を出せって言われるから、ちょい混んでいるスーパーでお酒を買った。

混雑していたら、例え相手が学生さんであろうとそういうやり取りをする間もないしな。


てか、店員さんの立場から言えば、例え学生さんって分かっていたとしても不良に「身分証明書見せて下さい」とか言えないと思う。

喧嘩売られそうで怖いし。
俺だったら絶対気付かない振りしちまうし。


あ、俺は残念悪い子に成り下がっちまってるけど、良い子の皆は二十歳まで飲酒禁止だぞ。

お勧めとか絶対しないんだからな!
若いうちから飲酒しても良いことナッシングだ!
 
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