青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
と、それはさておいて、俺以外の三人は、結構酒に免疫がついているから飲む量が多い。
俺は付き合いで嗜む程度だから、缶一本分。
しかもチューハイだという…、途中からコーラにバトンタッチすることも多々だという…。
三人からは「女子かよ」ってツッコまれて笑われたけどさ、ビール苦くて飲めねぇんだもん。
ビールのナニが美味いんだ。
飲めるヨウ達の舌を疑うぞ。
あのままヨウの家で駄弁っていても良かったんだけど、ご両親が帰って来るみたいだったからそそくさと退散した。
やっぱ居心地悪いじゃんか、家庭事情を知っているだけにさ。
だから公園を選んで飲酒をしている。
ブランコを陣取って、夜風に当たりながらおつまみのポテチと一緒に飲酒して談笑。
そうして暫く時間を過ごした後、ワタルさんがファミレスに行かないかと誘ってきた。
ヨウ的にまだ飲みたかったみたいで、自分は此処で飲んでおくと申し出る。
ハジメは小腹が減ったみたいでファミレスへ。
どっちでも良かった俺は、ヨウと一緒に公園に残ることにした。
2対2の方が都合もいいしな。
ハジメ、ワタルさんと別れた俺等は残って飲酒をしながらポテチを頬張る。
これまた暫く他愛もない話を交わしていた俺等だけど、ふっと俺は貰ったピアスのお礼を言い忘れていたことに気付いて、ヨウにお礼を言った。
結局俺、あいつからリングピアス貰ったんだ。
でっかいリング状のピアスじゃなくて、ちっちゃなリングピアス。
イケた男がしたら、さぞ格好良さが引き立つんだろうけど、残念、俺は凡人男だから。
んでもって俺に貰われるピアスも可哀想に。
イケメン不良のヨウの手元にいつまでも置いてもらえれば、その価値が十倍、二十倍にも跳ね上がっていただろうにな。
「ン」お礼を受け止めてくれるヨウは、目尻を下げて痛くなかっただろっとピアスホールの感想を聞いてくる。
そんな余裕なかったっつーの。
プツッて音した瞬間、世界がシャットダウンした気分だった。
俺の心情に、「ぷははっ」超大袈裟だとヨウはご機嫌に笑った。
どうやらほろ酔いのようだ。
結構飲んでたみたいだしな。
気分が良いんだろう。