青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―


と、それはさておいて、俺以外の三人は、結構酒に免疫がついているから飲む量が多い。

俺は付き合いで嗜む程度だから、缶一本分。
しかもチューハイだという…、途中からコーラにバトンタッチすることも多々だという…。

三人からは「女子かよ」ってツッコまれて笑われたけどさ、ビール苦くて飲めねぇんだもん。

ビールのナニが美味いんだ。
飲めるヨウ達の舌を疑うぞ。

あのままヨウの家で駄弁っていても良かったんだけど、ご両親が帰って来るみたいだったからそそくさと退散した。

やっぱ居心地悪いじゃんか、家庭事情を知っているだけにさ。
 

だから公園を選んで飲酒をしている。 

ブランコを陣取って、夜風に当たりながらおつまみのポテチと一緒に飲酒して談笑。
 

そうして暫く時間を過ごした後、ワタルさんがファミレスに行かないかと誘ってきた。

ヨウ的にまだ飲みたかったみたいで、自分は此処で飲んでおくと申し出る。

ハジメは小腹が減ったみたいでファミレスへ。
どっちでも良かった俺は、ヨウと一緒に公園に残ることにした。

2対2の方が都合もいいしな。
 

ハジメ、ワタルさんと別れた俺等は残って飲酒をしながらポテチを頬張る。
 

これまた暫く他愛もない話を交わしていた俺等だけど、ふっと俺は貰ったピアスのお礼を言い忘れていたことに気付いて、ヨウにお礼を言った。

結局俺、あいつからリングピアス貰ったんだ。

でっかいリング状のピアスじゃなくて、ちっちゃなリングピアス。
イケた男がしたら、さぞ格好良さが引き立つんだろうけど、残念、俺は凡人男だから。

んでもって俺に貰われるピアスも可哀想に。

イケメン不良のヨウの手元にいつまでも置いてもらえれば、その価値が十倍、二十倍にも跳ね上がっていただろうにな。
 
「ン」お礼を受け止めてくれるヨウは、目尻を下げて痛くなかっただろっとピアスホールの感想を聞いてくる。


そんな余裕なかったっつーの。

プツッて音した瞬間、世界がシャットダウンした気分だった。


俺の心情に、「ぷははっ」超大袈裟だとヨウはご機嫌に笑った。

どうやらほろ酔いのようだ。
結構飲んでたみたいだしな。

気分が良いんだろう。
 
< 120 / 804 >

この作品をシェア

pagetop