青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
だって俺はテメェの舎兄なんだぜ。
俺ってば激頼もしい兄貴だな、一笑を零すヨウに俺もつられて笑う。
ほんとにな、お前は舎弟をホトホト困らせてくれる頼もしい俺の舎兄だよ。
いっちゃん俺の弱いメンタル面を理解してくれるのはヨウ、お前だな。
ハジメに言われたとおり、ヨウは相棒で、こいつがいなくなっちまったら俺、困っちまうや。マジ頼り甲斐のある奴。
―…俺、いつかお前みたいな舎兄になれるかな。
「なあヨウ。舎兄って、どんなカンジ?」
「ン? 突拍子もないこと聞いてくるんだな。なんだ、キヨタを舎弟にしようって決めたのか?」
空になった缶を潰すヨウに、「決意まではしてねぇけど」でもキヨタなら舎弟にしても良い気がして、正直に気持ちを零した。
ただ俺はヨウみたいにそういった器も力量もないから、舎弟にしていいのかどうか迷うところではある。
特技はチャリと土地勘と習字くらいだし、一生懸命に背中を追って来てくれるキヨタと俺じゃ釣り合わないんじゃ。
うーん、俺等みたいに舎兄弟をやっていけるかどうか、全然自信がねぇんだけど。
でも最近のキヨタを見ていると、キャツを舎弟にでもしてその本心に触れたい気も…、難しいな。この問題。
顔を顰める俺に、「俺等は俺等でお前等はお前等じゃね?」比較してもしょーがねぇだろって指摘された。
「俺はモトを弟分のままでいさせてる。一時期は舎弟にしようとも思ったが、あいつ自身が望んじゃかなかった。弟分と舎弟は違うってあいつの中で一線引いてるんだ。
俺自身も弟分と舎弟には仕切りを作っている。俺の中じゃ舎弟はパートナー、弟分は後継者って言ったところか。テメェはキヨタを後継者にしてぇのか?」