青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
行きたくないのかな?
うーん向こうが嫌なら無理やりは…、ダメダメ。
消極的だと弟分の心には触れられないぞ。ちょ、ちょっとは強引になっちまってもいいよな。
ヨウを見習って…ってのも癪だけど、強引に引き込むってのも手だ。
舎弟にするかどうかは置いておいて、俺だって兄分なんだからヤるときゃヤらないと。
「とにかく行こうぜ」
「はい!」
ヨウとモトのやり取りに、「俺っちは」遠慮を見せようとするキヨタ。
そろーっとキヨタの背後に忍び寄った俺は、
「逃・が・さ・な・い」
裏声を使って弟分の両肩に手を置く。
ひぃっ、ぞわっと背筋を伸ばして驚くキヨタの声から推測して俺の存在に気付いてなかったようだ。
失礼なヤツだなお前、俺ってそんなに存在感がないか?
「俺が行くんだから、貴方も来なさい。じゃないと、圭太、泣いちゃうんだから」
振り返ってぽかーん顔を作るキヨタだけど、
「ケイさんも行くんっすかっ! 俺っちを誘ってくれるなんてっ、大感激っス~~~!」
弾丸のようにタックルしてきやがったよ、こいつ。
どうにか踏み止まった俺はキヨタの体を受け止めて、「んじゃ行こうぜ」キヨタの首に腕を絡めた。
「てかさ、聞いてくれよ」
さっきの不幸話を切り出そうとすれば、何でも喜んで聞くとキヨタ。
……もしかして俺達、スキンシップが足りないのかもな。
大した話でもないのに尾を振ってくるなんて。
そういや俺、いっつもヨウと一緒だしな。何かあればヨウとばっか話す、もしくは同級生と話すもんだから。
たまにはじっくりキヨタと話しても良いかもしれない。
折角の機会だ、ヨウもモトと盛り上がっているみたいだし、俺は俺でキヨタと話してみよう。