青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
早く卒業したいなーっと思っていたある日、モトの兄分がとある不良に喧嘩を売った。それがヨウ。
その兄分と同じ学年にいたヨウや日賀野の存在がすこぶる気に食わなかったらしいんだけど、特にヨウの存在が気に食わなかったそうな。
だから喧嘩を売ったらしい。
しかもご褒美付きで。
んで、そのご褒美ってのが勝者が敗者の持ち物を取るって簡単なもの。
卑怯な手を使ってまでヨウに勝負を挑んだ結果、兄分は情けなく負けてしまい、アッサリと白旗を挙げたとか。
一応弟分のモトは内心呆れつつも、兄分に大丈夫かと声を掛け、飲み物でも買って来ようかと介抱。
一方で何を取ろうかなと、ウッキウキのヨウはあれやこれや相手の持ち物を聞いて、何が欲しいだろうと考えた結果。
『きーめた。俺、これを貰う。お前の弟分は今日から俺のだ』
言うや否や、介抱してやっているモトの首根っこを掴んで戦利品を決めたらしい。
兄分は相当反対したし、モトはモトで驚いたまま自分はモノじゃないんだけど、っと直談判したそうなんだけどヨウは問答無用で、こう言ったそうな。
『この喧嘩、勝者が敗者の持ち物を取っていいんだろう?
だったら俺はこいつを貰う。テメェ等見てたら、弟分っての、なんかいたら楽しそうだし。
テメェ、基樹っつったな?
ンー、言い難いからテメェは今日からモトだ。
行くぞモト、今日からテメェは俺の弟分。そんなヘボ兄分だった男なんざ、ほっとけほっとけ』
『え、あっ、あのマジで言ってるんですかぁああ?!』
『文句は言わせないぜ。だってテメェ、俺の戦利品だしな!』
……シーン。
なにそれ…、え、ヨウがモトを戦利品に選んだ?
じゃあ何か。
ヨウ、モトを助けたとかそういうので知り合ったわけじゃなく、単にモトを戦利品として弟分に引き込んだのか?