青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
それをヨウも分かっているから、比較的光喜とは仲が良い。
光喜だけじゃない。
地味友と称している五木利二や小崎透とも、ヨウは仲が良い。
全員不良はあれであれであれだけど……俺伝いに話すきっかけを持ってから、何かとヨウと話すことが多くなった。
利二なんて俺らチームに手を貸してくれている、裏メンバーのひとりだ。
いつでもどこでも俺の心のよりどころになってくれているもんだから、ほんと利二はいつも助けられている。愛しているぜ利二! 大好きなのは彼女のココロだけど!
「相変わらず面白れぇな長谷。さすがケイの地味友」
「カツアゲはウケる。こう見えて、ヨウはカツアゲなんてしたことねえのになあ?」
「こう見えては余計だっつーの。どんだけ悪く言われてるんだよ俺」
ヨウは不良だ。それは否定しない。
ただひと流行った不良みたいに、大人や社会に対してあからさまにツンツンってわけでもない。
喧嘩に対して積極的でも、理不尽な集団リンチやカツアゲ、万引き、ドラマでよく見るヤクに手を出すことはしない。むしろ好まないし、本人曰く「見つかったら面倒だろうが」らしい。ご尤もである。喧嘩も見つかったら、すっごく面倒じゃ……と思ったけど、それは敢えて触れないでおく。
ヨウが金髪赤メッシュに染めているのは、学校や親に対してのちょっとした反抗心。
自分の存在を否定しがちな親を困らせるために染めたり、学校がだるいから授業をサボったり。時に煙草や飲酒をすることもあるけど、それにとどまる。
学校の問題児になりがちだけど、じつは警察沙汰になるほどの問題を起こしていないんだ。ヨウって。