青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
ほ、ほんとに怖いお姑さんを貰っちまったよぉおお!
お…、俺だってこれでも娘さんっ、じゃね、響子さんの妹分は大切にっ、大切にしてるつもりっ…、うわぁああもうあの人怖いですぅううワタルさんぅうう!
おいおい泣きついている俺にワタルさん、
「僕ちゃーんは三男坊の味方」
何かあったら助けてあげることはできないけど、同情はするからと仰ってくれた。
助けてはくれなくとも優しくはしてくれるんですねっ。
なんかわっかんないけど今のワタルさんっ、神にも仏にも天使にも見えるんだけどっ!
鬼畜カツアゲ伝説とか屁でもないくらい、優しさが胸にっ、これから兄貴って呼んでもいいですかねっ!
グズグズと落ち込んでいる俺を余所に、
「なんでタコ沢とケイ?」
その意図は?
ヨウは響子さんの意見に疑念を向ける。
短くなっていく煙草の先端、揺れる紫煙を見つめつつ、彼女は仏頂面に答を返す。
「ケイの土地勘とタコ沢の不良網を掛け合わせるんだよ」
確かにケイは道メインの土地勘かもしれねぇが、うち等よりかは遥かに優れた土地勘を持っている。
使えねぇってことはない。
ある程度は土地についても知っている。
何処の地が奇襲を掛けやすい土地か、地元を隈なくチェックさせるんだ。
その後、タコ沢に不良達の動きを掴んでもらう。
あいつは不良の動き・情報に長けてるからな、チェックした土地に不良の動きがないかどうか見張らせるんだ。
好き好んでその地を出入りしてる輩がいたら、そりゃ可能性大で楠本達にちげぇねぇ。
少しでも可能性を感じたらさっきの作戦、オトリ奇襲返し作戦を使う。
取り敢えずオトリを使ってそいつ等が本当に楠本達かどうか、見極めないと話になんねぇ。
襲われたら、はい、そいつ等は敵さんだった。反撃開始。
…と、ザックリ流れを考えてみたが、うちの案は大体こんな感じ。
此処まででご意見・感想・反論その他諸々はないか? 一応受け付けるぜ?
「響子の案には納得だけど、でも手間と危険が被(こうむ)るのも否めないよね」
チーム一の捻くれ頭脳派が物申す。
ハジメは問題は二つあると指摘した。