青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
ヨウは俺達のリーダーだ。んでもって今は二チームのリーダーだ。
浅倉さんが不在の今、奇襲返しを決行できる準備が整うまで、リーダーには危険な行為をして欲しくない。
ヨウまでヤられたら、誰がこのチームを引っ張るんだよ。
副リーダー達だけじゃ重荷だぞ。
「テメェな、俺がやられるとでも思ってんのか?」
かーんなり不機嫌になる負けず嫌いのヨウだけど、「お前の存在は目立ち過ぎるんだって」改めて立場と存在を指摘する。
ヨウは名と顔の売れた不良、俺と同行なんて絶対に目立つ。
仮に向こうチームの目に留まれば最後、何かしら目論んでいるんじゃないかって懸念されかねない。
俺だったら、パッと見は不良には見えないし。
悲しいことに荒川の舎弟だって名前が売れていても、顔まで覚えられていることはそうないしな。偽者事件でそれは痛感したし。
だからワタルさんも、名と顔が売れてるから絶対に同行はダメだ。
これは少人数規模で、しかも名の売れていない不良、もしくは目立たないジミニャーノが動いた方が良い。
更に言えば、浅倉チームじゃない方がいい。
楠本は腐っても浅倉チームだったから。
「けど二人だけなんざ俺、認めねぇ。リーダーとしても舎兄としても。
分かってるのか、ケイ。テメェの身の程を。タコ沢はまだ手腕と根性があるが、テメェはへなちょこじゃねえか。手腕で言えば下の中だぞ」
辛辣な言葉を添えて突っぱねてくるリーダーは腕を組んだ。
俺のためだって分かっているからこそ、カッチンとはこなかった。カッチンとは。まあ、ちょいグサッとはきたけどな!
へなちょことか…、畜生…、そこまで言わなくてもいいじゃないかよぉお!
本当のことだから胸が痛むんですけど!
下の中? ははっ、ほっといてくれ!