青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
(……でも周りから距離を置かれているんだよなぁ)
まあ、不良って聞くだけで距離を置きたくなるよな。分かる、すんごく気持ちは分かる。
(だけど、そのとばっちりが俺にも来てるのはいただけないんですけど!)
俺のクラスで田山圭太に声を掛ける生徒は少ない。
気軽に声を掛けてくれる生徒なんて指で数えられる程度、ヨウ、タコ沢、地味友の三人……以上!
なんてこったい。どうしてこうなった! 舎弟を白紙にしなかった俺が悪いんですね! そりゃ分かってます! 分かっていますよーだ!
ちらり、軽く教室全体を見回す。
数名の生徒と目が合ったけど、一瞬にして目を逸らされた。気まずそうに目を逸らされた。まるで関わらないで下さい、と言わんばかりに! ひでぇ! ちょぴっと見ただけじゃん!
ガンなんて飛ばしてねぇーのに。俺の視線ってそんなに人を殺しそうに見えるのか?! 見えちゃいますか! あ、見えるんですね……分かったんで、露骨に目を逸らさないでください。傷付きます。
(こんなんで二年やっていけるかなぁ)
新学期早々大きな不安に駆られてしまった。
はあーあ、荒川の舎弟って肩書きも楽じゃないよ。
⇒#02