青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
 

そんなこんなで騒動はあったものの班はスムーズに決まり、俺はヨウ、そして利二と一緒の班になった。

女子はあんま喋ったことのない人、まったく知らない人なんだけど、男子の面子に俺は胸を撫で下ろす思いで一杯だった。

気の置けない面子が一緒で良かったよ。

利二とヨウの仲、去年に比べて格段に良くなってるしさ。
 

まあ…、女子の反応は男子の面子に「……」だったけど。


主に俺とヨウに「……」だったみたいだ。顔が強張っていた。

そりゃな、噂の舎兄弟がモロタッグを組んで一緒の班にいるんだから顔も引き攣るだろ。
 

だけど、ヨウが「宜しく」って笑顔を振り撒いたら、ちょいと緊張感が解れたみたいでぎこちなく笑みを返していた。
 
 
り、り、理不尽だ!


イケメンスマイルがそこまで効果を発揮するなんてっ、俺だって一応愛想良く「宜しく」つったのにっ、顔が強張ったままだったぞ!


これがイケメンと凡人の違いなのですね、分かります。分かりますとも!


けど納得いかねぇんだよコンチクショウ!

愛想よりもイケメンスマイルの方が効果的だなんてっ、なに、この屈辱と敗北と挫折感!
 

俺の心中を察した利二が「どんまい」って肩に手を置いて慰めてきてくれたけど、やっぱ納得いかねぇ!


人は顔か?
所詮顔なのか?

ハートじゃないのかよ!
ハートが大事ってお母さんに習わなかったのか!


くそう、いいんだいいんだ。


俺には素敵な彼女さんがいるんだい。クラスメートの女子に怯えられようとも、俺にはカワユイ彼女がいるんだい。

だからなぁ、傷付かないんだぞっ。

ちと心に引っ掻き傷が付いただけで、別に、べつに傷付かないんだぞ!


ほ、ほんとだからな! ほんとのほんとなんだからなー!
 

 
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