青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
「チームメートに順位付けなんざしたくねぇが、きっとおりゃあ涼や桔平、そして蓮に何かあったら、暴走しかねない。誰よりも傍で支えてくれる奴等だって知ってっから。
ま、その時は誰かが俺の馬鹿な行動を止めてくれるって信じてるけどな」
「………」
「おめぇも気ぃ付けろよ、荒川。俺とおめぇの性格、似てるから暴走しかねないぞ」
揶揄してくる浅倉に、「余計なお世話だっつーの」素っ気無く一蹴するが、強くは反論できなかった。可能性は大だ。
というか過去に仲間が目前でヤラれた光景を目にして、身勝手な行動を取った記憶がある。
反論すらできなくなった。
「浅倉、舎兄弟っつーのは不思議だよな」
「ん?」
「俺等も然り、テメェ等も然り、榊原達も然り。
なんっつーか…、舎兄弟を結ぶとダチじゃねえ、仲間でもねぇ、兄弟でもねぇ、なんか別の関係が築き上げられる。
今、俺は舎弟がいない日常を想像することすら無理だ。
いて当然だからな。
舎兄が消えちまった楠本が怒れちまったのも、分かる気がする」
「ははっ。おめぇ等はマジ仲が良いからな」
「その舎弟が、自分の舎弟を作っちまう日も近いんだ。しょーじき複雑なんだよなぁ。
ケイの奴、しっかりキヨタを“後継者”扱いしてやがるし。
地元で有名な“異色の舎兄弟”はいつかあいつ等の代名詞になっちまうかも。
うっわ鬱…、分かるか? 俺の気持ち」
「なんでい。おめぇらしくもねぇ、嫉妬か?」