青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
父さんの言葉にシズ、気付いてないみたいだけど泣きそうな顔を作っていた。
子供の力じゃ限界があるってシズも分かっていたんだ。誰かに頼りたかったのかもしれない。
「お世話…なります」
びっくりするくらいに改まって頭を下げていた。
どれだけシズが苦労しているのか、していたのか、孤独だったのか、その姿で分かってしまう。
なんだか俺の方が切なくなったよ、あの時は。
数日でシズのことは決着が付いたみたいで、シズ曰く両親の仲介の下、揉めに揉めて“一人暮らし”という形で決着が付いたとか。
シズの養育費はシズの前のお父さん。
つまりシズの実父が支払っているらしいんだけど、わりと金持ちの実父にお母さんが相談。
養育費と一人暮らしの件を呑んだことで、事が落ち着いたらしい。
なんでそうも簡単にシズのことについてお金を出してくれるのか(だってシズと殆ど面識ないんだぜ?)、俺には謎いけど、決着が付いたみたいなら良かったと思う。
まあ…、相当揉めたらしい。
両親がシズを連れて帰宅した姿は疲労困ぱいそのものだったけどさ!
そして今、シズは部屋探しの真っ最中だ。
シズが一人で暮らしていける部屋は勿論、家賃や通学を視野に入れて毎日俺の両親と話し合っている。
んでもって母さんは、「私達と家が近い方がいいわ」と言っていた。
何か遭ったらすぐ飛んでいける距離がいい、なーんて言っちゃってる母さんは絶対近場にすべきだと熱弁。
シズよりも部屋をじっくり見ていると思う。
その姿にシズの方が呆気取られていたことは内緒だ。
うん、母さんはお喋りだからな。
それに火ィ点いたら手がつけられないんだ。
―…早くシズの安心できる部屋、見つかればいいと思う。