青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―

なんでそう結びつくよ。
確かに不良達は皆、良くも悪くもお馬鹿だけど今のはそういう意味で言ったわけじゃないぞ。

地図よりも感覚で覚えた方が効率的だって思ったんだ。

例えるならそうだな…、自転車だ。

乗れない自転車を乗れるようイメトレしても、実際は上手くいかないことが多いじゃんか?

道だってそれと同じで実際に歩かないと覚えないって。
 

特にキヨタみたいな肉体派は体で覚えた方が絶対覚えが早いと思ったんだ。

こいつは合気道を習っていたからか、スッゲェ感覚が良い。

下手すりゃ俺の役目を奪われそうなほど(本当に奪われたら俺の立場って!)、実際に踏み込んだ道をすんなり覚えてくれる。

ヨウもこれくらい物覚えが良かったらなぁ…、あいつは覚える気がまるでゼロだからな。


「キヨタこっち」


俺は大通りに出ようとするキヨタを引きとめて、反対側の道を指差す。

踵返して俺の下にやって来るキヨタは、こっちは反対方向じゃないかと意見してきた。

うん、確かに反対方向だ。

このまま進めば反対方向に出て、時間をロスするだけだ。


「だけど道の途中に横断歩道があるから、そこを渡れば近道だ」

「横断歩道なんてありましたっけ?」

「実は最近、ここら一帯の道路が整備されたんだ。古い平屋やアパートを取り崩して道を作ったらしいから、そこに出れば文具屋への裏道に出る。時間の短縮になるってわけだ」

「へー、なるほど。ケイさんって物知りっスね!」


「両親が話していたのを小耳に挟んだだけだよ。
なんでも数年前から道路整備の話が来ていたらしいんだけど、なっかなか住民が移住してくれなくて市役所と揉めていたそうな。
かんなりの金を積んで解決したらしいぞ。世の中、お金なのかしら? 住み難いわね、キヨタさん」


「ふぇっ、あ、え、お、オッス!」


あらあら、キヨタはまだまだ調子ノリレベルまで達していないみたいだな。

 
ヨウなら、「あらそうね。圭太さん」って来るんだけど。

てか、ヨウ、マジで残念過ぎるイケメン不良だよ。俺の調子ノリにすっかり感化されている面があるから。

ま、女子の前じゃあんま見せないから?

結局のところ学校じゃ人気者だったりするんですけどね!

どんなに悪評でも、顔の人気はパねぇんでゲスよ!

いつも隣に凡人田山がいるせいで?
もっとそのカッコ良さが引き立つというか?


くっそう、イケメンなんてやっぱ畜生なんだぜ!

一握りのイケメン達のせいで凡人の俺達が悲しい現実と向かい合わなきゃなんねぇんだからな!


どーせ俺はカッコよくねぇよ! これは嫉妬だよ! 妬んで悪いか、ドチクショウ!

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