青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
おどけ口調で答えると、「自分から見たら真面目だ」シズにおどけ返しを食らう。
そりゃ面子が皆、ヤンチャだからだろうよ。
笑声を漏らして、なんのゲームをするかと話題を切り替える。
今はパァっと格ゲーをしたい気分なんだけど。
鬱憤エネルギーを発散したいって感じだ。
と、俺の携帯が鳴る。
着信が来たようだ。机上でバイブ音がやかましく声を上げている。
「もしかして…、ココロじゃないか…? ケイが相手してやらないから」
ニヤッと口角をつり上げるシズに、「い、今は仕方ないけど!」これが終わったらちゃーんと相手をしてやるつもりなんだから、と大反論。
おやおやアツイ発言だこと。
シズの揶揄に唸り声を上げる俺は、荒々しく腰を上げて机上に置いている携帯を手に取った。
画面を確認するとビンゴ、相手はココロだった。
「もしもし」
俺はシズの嫌味ったらしい眼を振り払いながら電話に出る。
『け…、ケイさん』
やや焦りを声音に含ませるココロは、開口二番に俺に告げてきた。
助けて下さい、と。
途端に俺の肝が冷える。
「何か遭ったのか?」
彼女のSOSに動揺しつつ、俺は努めて冷静に事情を尋ねた。
ココロも冷静に、だけど焦燥感を含ませて簡略に説明。
『喧嘩に巻き込まれたみたいなんです。
どうやら誰かに、濡れ衣を着せられたみたいで。今、モトさんとキヨタさんが傍にいるんですけどッ…、二人ともちょっと手が離せなくって』
「喧嘩に巻き込まれた。その原因が誰かに濡れ衣、なんだな」
復唱する理由は、シズが携帯でヨウ達に連絡を入れてくれているから。
『創作中にごめんなさい』
でも助けて下さい、ココロの切望に馬鹿野郎と悪態をつく。
なに俺の心配をしているんだよ。
今、ココロが大事なのは自分の置かれている状況下だろ。
こっちの心配している場合じゃないだろ。
「場所は何処だ?」
尋ねると困ったような声音で、ビルの中とだけ答えてくれた。