青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
放課後―。
おサボリした俺とキヨタは荷物を持って学校からトンズラ(だってグズグズしていると担任のお小言を食らう!)、たむろ場に赴いて仲間達と合流した。
散々泣いたキヨタの腫れ顔にワタルさんが大笑いして、「なあに」泣かされたの? と茶化してくるもんだから、某なんちゃってジミニャーノボーイは不貞腐れたりなかったり。
ワタルさんに次いで、たむろ場にやって来たモトが親友の顔に大爆笑。
「ガキ面が余計ガキ面だな!」
とか言っちゃうわけですよ。
ったくもう、野郎共は揃いも揃って人の泣き顔を笑うんだから…、デリカシーのない奴等だ。
むっすーっとするキヨタだけどリーダーの姿を捉えると、形振り構わず駆け出した。
ヨウの前に立つと、「俺っち。貴方にだけは負けません」と開口一番にライバル宣言。
いきなりなんだと目を見開いたヨウだったけど、お察しがいいことに、「おおっと」これはチャリの後ろ争奪戦か? おどけて俺を見やってくる。
「ケイ。俺の特等席がピンチじゃねえか。どうしてくれるよ」
「ちぇーっ、だあれも運転手になってくれないんだよ。ひどくね? 俺だって楽したいのに」
俺はおどけを返して、「今はなんちゃってだけど」これから本物にするつもりだよ、ヨウに微笑む。
「それだけの力量がジミニャーノにあるかどうかは分からないけど。こいつがついて来てくれるって言うから頑張るさ。―…なあ、舎弟」
するとキヨタは満面の笑みを浮かべて、いつもの調子で答えた。
「俺っちと貴方で本物にするんっスよ、兄貴!」
俺はヨウと成り行きで舎兄弟になった。
そしていつの間にか俺とヨウは本物の舎兄弟になっていた。
俺はキヨタと成り行きで兄弟分になった。
じゃあ、今度は俺とキヨタの関係を本物にする。
これは俺とキヨタの約束であり、誓いとなった。
俺とキヨタはここからだ。
ここから始まる。
そう覚悟を決めた、ある日の昼下がり。
⇒#08