青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
そりゃお前と似たり寄ったりな悩みを持っているからだよ。
苦笑を零して、俺は健太に言ってやる。
チームに相談できないなら、まず俺に相談すればいい。
今日みたいな同窓会を契機にしなくたって、メールや電話のひとつでも寄越せば俺は飛んでくるさ。
「しょうがないから一緒に悩んでやるよ。チームがお前を見捨てても、俺はお前を見捨てない。何かあれば絶対に助けに行く。約束する」
かつてぶつかり合った親友とも呼ぶべき相手に告げると、「ばっか!」おれは涙もろいんだぞバカヤロウと悪態をつかれる。
知ってるって、俺も涙もろいもん。そういうところは似たもの同士だよ。田山田はさ。
「制服に鼻水はつけないでくれよ」
ポケットティッシュは恵んでやりたいけど、あいにく両手がふさがっている状態。
だから自分でどうにかしてくれと一笑。
頑張ると答える健太は、
「ストーキングされているなら」
可愛い女の子がいいな、と冗談を口にした。
可愛い女の子がこんなえげつないことするかよ、俺も冗談を返してチャリを飛ばす。
その日、久しぶりに会った健太ともっと喋りたい気持ちがあったけれど、俺は早々と健太を家に送って帰宅した。
騒動のせいでシズの土産のことをすっかり忘れていたから(めっちゃシズに落胆された。それはそれは世界の終わりを見たような顔をされた!)、二度も外出する羽目になったのは言うまでもない。
余談として付け加えておくことにする。
健太のストーキング問題が早く解決すればいい。
願い思う俺の心配が見事に霧散するなんて、この時、知る由もなかった。