青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
“チームがお前を見捨てても、俺はお前を見捨てない。何かあれば絶対に助けに行く。約束する”
圭太はちゃんと約束を守ってくれた。
おれ、あのメールと約束で救われた。救われたんだ。
思えばいつもそうだ。
絶交したっていうのに圭太はおれを友達だって言い続けるし、拒絶したっていざとなれば助けようとするし、こうして今もチームの垣根を越えて飛んできてくれる。
馬鹿みたい直球な奴だよ。
荒川さんに感化されているんじゃないか、そう思うほどお前って気持ちに真っ直ぐだ。羨ましいくらいに。
おれ、お前ほど真っ直ぐにはなれない。
チームにでさえ自分の素を隠しちまうし、自分に嘘だってつくし、傷付くのが怖いから傷付けることだっていっぱいしてきた。
これからもしていくんだと思う。
変わろうたって、簡単には変われやしない。
自分のことだから分かる。
ヤマトさんにさっき叱られちまった。
チームのナニを見てきたんだって。
確かにチームは好きだ。
でも自分とチームは違う。
おれはふとした瞬間に、チームから一歩下がって距離を置いてしまうんだ。
根本的に不良って世界は苦手なのかも。
そんなうそつきなおれだけどさ、お前にひとつ真っ直ぐな約束をするよ。
チームがお前を見捨てても、おれはお前を見捨てない。
何かあれば絶対に助けに行く。
居場所こそ違えど、それこそまた対峙することになっても、お前とは友達だ。
胸張って言うよ。
そんだけのことしてもらったんだ。
おれもいつか、お前に。
『圭太、さんきゅ…、約束するから』
―――…。
俺は数秒、言葉を失ってしまう。
襖に寄り掛かり、ずるずると背中を預けて座り込むと、
「なんだよもう」
やめてくれよ、そんな小っ恥ずかしい告白をガチで言うの、顔から火が出そうだと俺は泣き笑いを零した。
今度どういう面してお前に会えばいいんだよ。そんな告白を聞かされてさ。