青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
どうすればいいんだろう(偽)田山圭太さん、俺の名前を散々悪用しちゃってからにもう。
昨日、ヨウには犯人捜しはしないって言ったけど、した方がいいかもなぁ。
だけど単独に犯人捜しなんてできないよなぁ。
仮に犯人を見つけても…、どうしよう。相手は不良みたいだしっ…、幾ら不良の舎弟だからって言っても、喧嘩になると下の中くらいだから。
ヨウに協力してもらおうかなぁ。
軽く息をついて俺は階段を一段一段、踏みしめるように上り始めた。
「……、兄貴は何かに悩んでいる。でも頼りない弟分には話せない。
兄貴が悩んでいるって分かっていても、弟分は、何も言えなかった。空気を盛り上げることしかできなかったっ。
こんなんで良いのか、俺っち。こんなんで弟分って言えるのかっ、俺っち…っ」
こんなんだから、いつまでもヨウやモトのような確かな関係も、兄分達のような舎兄弟の強い絆も作り上げられないのだ。
何よりも気兼ねなく相談して欲しかった、頼って欲しかった、必要にして欲しかったなんて醜い感情を抱いてしまった。
兄分の心配よりも、不服・不平を抱き、僻んでいる自分がいただなんて。
「最低だな、俺っち。自分の努力が足りないから、ケイさんに認められていないってことぐらい分かってるのに」
薄汚い静寂な廊下に佇んで、キヨタは苦々しく笑ってかぶりを振った。
こんな醜い自分、誰にも見られたくない。知られたくない。
親友にも、チームのリーダーにも、仲間にも……、何よりも兄貴には絶対に、ぜったいに。
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