青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
なんだよ、不安になっている俺が阿呆みたいじゃないか。
俺がチームのことを信じていないみたいなムードになっちゃって。
馬鹿、信じているよ。
信じているからな!
ついでにヨウのカッコつけ!
イケメンのお前が言うと素敵に無敵、バッチシ決まっちまうんだよ!
「ないってもう」
超ダサイ俺になってる、嘆きながら俺はヨウと肩を並べるために足を前に出した。
笑声を漏らす舎兄はカッコ良すぎて悪いな、と皮肉を零してくる。
まったくだよ。
お前なんて女子にモテモテされて、あっはんうっふんして、ハーレムでも作りやがりなさい馬鹿野郎のドチクショウ! こんのスケコマシ!
「そういうカックイイ台詞は女子に言うもんだぞ。はぁあ、俺に言うなんて男の器でも見せ付けてくれているのか? お前が丼なら、俺はお猪口くらいか?
うぇっ、ルックスの次は器で差をつけられたか。
いや最初から差はつけられていたんですけれども! どげんしよう、俺はナニで兄貴に勝てるんだい?!」
「ははっ、それでこそケイだぜ」
いつものノリが戻ってきたとウィンクするヨウに、煩いと俺は膨れ面を作る。
お前が決め台詞を吐き捨てたせいで、戻らざるを終えなかったんだよ。
いつまでもうじうじしていたら、それこそチームも俺自身も信じていないことになっちまうだろ。
だから元に戻るんだ。ヨウが背中を蹴ってくれたおかげさまだ。
感謝感謝ですよもう。
「どうにかなるって」
ヨウは俺の頭を小突いてきた。
「へいへーい」
信じることにしますよ、俺は頭部を擦りながらぶっきら棒に答える。
「何があってもイケメン不良がチームを引っ張ってくれるだろうからな。俺は信じることにしますよ、はい。それこそ何があってもさ。
―――…だけどヨウ、気を付けろよ。
モトとも話していたんだけど、不良の間で起こっている最近の事件は得たいが知れない。んでもってお前は地元で有名だから、狙われる可能性が大きい」
「ああ。気を付けておく。なんかあったら俺の相棒が助けてくれるだろうからな。手腕なんざ関係ねぇ、俺の舎弟はテメェだけだ」