青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
ははっ、言ってくれるよなぁ。
カックイイのなんのって気恥ずかしいよ。
んでもって俺も思っている。
なんかあったら俺の相棒が助けてくれるだろうって。
そうやって舎兄弟してきたんだ。
ヨウとならきっと乗り越えていける。
舎弟だっているし、それに頼れる仲間だっている。大丈夫だよな。
川原に辿り着くと小波立っている川面が目に飛び込んでくる。
水面に反射された夕日がとても綺麗だった。
「ケイ、シズの話になるんだけどさ。あいつが落ち着いたら一緒に泊まりに行こうぜ。酒とか持ってさ。野郎だけだからAVとか気兼ねなく観れるぞ」
「ンマー、すこぶる健全男子ですね。兄貴!」
「当たり前だろ。そうでなくっちゃオトコしている意味ねぇよ」
おどけるヨウに俺は笑声を漏らす。
「あ、でもDVDデッキあるのか?」
ヨウは根本的な疑問を口にする。
そういや、デッキはなかったような気がするぞ。
ノートパソコンを買う予定も今はなさそうだし。残念、野郎のロマンは先延ばしだな。
んーっと伸びを一つした俺は空腹を口にした。
不安をぶち撒けたからだろう。気持ちがスッキリしたおかげで腹減った。
「なんか食いたいな。今の気分はなんだろう。…あ、目玉焼き丼食いたいかも」
ちなみに目玉焼き丼は田山家の定番家庭メニューである。
我が家の人気メニューなんだ。
「それ、めっちゃ美味いよな。おばちゃんお手製の目玉焼き丼、俺も好きだぜ。最初白飯に目玉焼きをのせられた時はなんだ? って思ったけど。ありゃ美味い。癖になる」
「決め手は半熟だよな。塩コショウでからめに味付けした目玉焼きを白飯にのせる。んでもって黄身を匙で割り、そこに醤油を垂らす。
半熟じゃないと醤油とのコラボが不完全燃焼なんだよ。
後はお好みでネギをかけるわけなんだけど、俺はネギをたっぷりかける派!
あああぁ、腹減った。マジ食いたくなってきた」
頭の後ろで腕を組み、俺は空腹を訴えた。
「やめろよ」俺まで腹減る、ヨウの能天気な笑声に俺は頬を崩す。
ヨウのおかげで不安が払拭できた。
うん、いつもの俺に戻ったってかんじ。なにがあっても、なーんとかなるっしょ。
ポケットに突っ込んでいた携帯が震える。
ブレザーに手を突っ込んでそれを取り出し、中身を開いた。