青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―





五丁目の北西側、小規模倉庫、橋、そして都市交。
 
与えられた情報はやはり漠然としているが随分的が絞られた方だろう。

降り頻る雨の中、ヨウはシズの運転するバイクに乗り、ひたすら可能性のありそうな場所を当たった。


雨は強まる一方だが気にしていられない。

此処ではないかと目星をつけては外れを引き。
目星をつけては外れを引き。
またバイクに乗って闇夜を奔走する。


あまりにも外れを引くため、一旦浅倉チームのたむろ場(交差点ビル内のビルヤード)に戻り、目星をつけなおす。


二人が戻ると仲間達の姿が見受けられた。

ずぶ濡れのまま、地図帳を囲んでキヨタと目星をつけている。

浅倉チーム待機組がタオルを持ってきてくれるのだが、それに構う余裕はないようだ。無論それはヨウ達も同じだ。
  

「キヨタ。倉庫がありそうなところ、分かったか?」

「地図帳はあくまで地図帳っス。倉庫までは記されていない。だからありそうな場所を特定しているッス」
 

スーパー、工事現場、流通関係なら倉庫も沢山ありそうッス。

あとはあばら家に拘束されている可能性もあるっス。なにぶん五丁目は広いっスから。

さっき五木さんから連絡があって、できる限りケイさんの目撃情報を得てくると言っていました。

ハジメさんが言うにはケイさんは二日前に、つまり学校を休んだ日に拘束された可能性がありますっス。


襲われたのは午前中の登校時間じゃないかと…、悔しいっスけど俺っちはケイさんほどの土地勘はないっス。地道に倉庫をつぶしていくしか。
 

「都市交と橋で随分目星はついたんッスけどね」

「いや…、キヨタがいてくれて助かる。随分知識貰ってるじゃねえか」
 

力なく笑い、ヨウは丸印がついている場所を見やった。

確認するとすぐに踵返す。戻って来た浅倉チームの桔平が少し休むよう告げるのだが、「大丈夫だ」言うや否や外に出てしまう。

その際、運転してくれていたシズには休んでいるよう告げて。


「馬鹿だな…」


鼻を鳴らすシズはすぐさまは後を追い駆ける。


今のヨウをひとりにするのは危険過ぎると判断したのだろう。


桔平は吐息をつく。

無理もないか、舎弟が危険に晒されているのだから。
 


(けど、今の荒川は蓮を失った和彦さんを見ている気分。もし負傷したケイを見つけたら…、荒川は―――…)



 
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