青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
利用されるくらいなら、どんな虚勢を張っても自我を保ち続ける。
簡単に人間は壊れないんだよ。
トラウマを植えつけようとしても、痛みを与えようとしても、何をしようとしても。
それが俺のできる精一杯だから、手遅れにだけはさせない。
仲間が傷付いたら誰よりもヨウが傷付く。
それを知っているから、俺は帰らないと。
(っ、どっからこんな力が出るんだよ。ケイ! 暴れるなって!)
(ほんっとお願いっスから! そんな体で暴れたら悪化しますっス!)
帰りたい、仲間の下に。
(ケイさんがっ…、もしかして帰ろうとしているところって。私達の…ところ?)
帰りたい、仲間の下に。
(ッ…、ケイ! アンタは帰って来たんだぞ! もう、もう大丈夫だから!)
(何も心配いらないっスよ! 貴方は今、チームにいます! …あ、ヨウさん)
かえりたい、なかまのもとに。
いまがチャンスなんだ。みんなのもとにかえれる、チャンス。
(ケイ、大丈夫だ。必ず俺達が迎えに行くから、少し休め)
―――…迎えに、ああそうか、ヨウ達は気付いてくれたんだ。俺が利用されていることに。
そうか、気付いてくれたんだ。
じゃあ俺は時期に帰れるんだな。迎えが来る…、ほんっとあいつ等には手を焼かせてしまって申し訳ないけど、もう安心だ。
会える、皆にまた会える。
舎兄に、舎弟に、彼女に、仲間に。皆に会ったら最初に言わないと。
ごめんとありがとうを。
そして不良狩りに気を付けてくれ、と。
なんか安心したら超絶にねむくなった―――…。