青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
自分が悪い、悪かった、消えればいい。
それで済ましてはいつも逃げていたよ。ケイも恐怖心を口実に逃避中なんだろうな。
咎めやしないよ、俺も現在進行形だから。
なーんかあるとすーぐ落ち込んでくよくよするし。
人間なんだ、しゃーない。
会いたくない気持ちは分かる。
気遣われたくない気持ちも分かる。
それで蘇ってしまう記憶の畏怖も分かる。
でもそれで踏みとどまっても一緒じゃないか。
それこそ罪悪を感じさせることもあるかもしれない。
そのせいで相手を傷付けるし自分も傷付くだろうさ。
けどひっくるめて迷惑掛けるしかないって。
心配はその先どーしょうもないけど、迷惑ならそれを解決させる方法が絶対に見つかる。
記憶に恐怖したってそれはそれできっと誰かがお前を支えてくれる。
知ってるんだぜ?
ケイ、舎弟を作ったんだって?
そいつに支えてもらうのもアリだ。
あのチビ、超お前ラブって分かったぞ。
俺は胸焼けするかと思ったね、お前への舎兄愛にさ。
俺だっていいんだぞ?
あー…、側にいないから、ちょっち連絡くれないと気付けないんだけどさ。
俺は千里眼の持ち主じゃないし。
「俺は未だに桔平や涼に超迷惑を掛けている。仲間に迷惑を掛けている。チームに迷惑を掛けている。
自己嫌悪ばっかする俺は誰かに支えてもらって、どーにか和彦さんの舎弟してる。俺ができるんだ。ケイも頑張れるよ」
お前、気付いてないだろ? ちっともノれてないことに。
それって片隅で落ち込んでいるってことだよ。
あの事件の後で、元気ピンピンしている方が俺的に驚くけどな。
「お互い頑張ろうぜ。舎弟」
なんかあったら助けてやっから、ニカっと綻んでくる蓮さんに俺は泣き笑いした。
スンと鼻を啜って豪快にたい焼きを齧ると、元気よく咀嚼を繰り返した。
しょっぱい味がする。塩気が多いのかな。
どうにか一個完食した俺は、買ったアクエリで喉を潤すと残りのたい焼きを通学鞄へ。
んでもってベンチから飛び下りると、「ちょっと俺」たむろ場に行ってみます、相手にこれからのスケジュールを伝えた。