青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
「けっ、ケイざんっ、づよいおどごでずがらっ、ぜっだいもどっでぐるっでっ。信じでまじだっ…、そ、そりゃ手腕ないでずじ、地味だじっ、どーてーでずげどぉおおお!」
「……、キヨタ。最後のチョイスはいらないんじゃね? いらないよな? な?」
そうですよ、俺は童貞ですよ。
まごうことなきチェリーボーイでやんす。
だけど彼女を腕に抱えているんだから、その台詞はシャラープ! なんか不謹慎っ! 居た堪れない!
どーして男って童貞って単語を出したがるんだい。
お盛りの年頃だからか?!
耳元でグズグズ鼻を啜っているキヨタに苦笑し、俺はココロに視線を落とす。
舎弟と同じようにグズグズ鼻を啜っている彼女は、すぐに手の甲で目を擦ってはにかんできた。
見上げてくる彼女は言ってきてくれる。
「本物が一番ですね」と。
それってメールの一件だよな。
ほんと思うよ。携帯なんかよりもリアルに人と会ったり、喋ったり、顔を見た方がいい。
こうして皆ともリアルにっ……、て、ちょ、ココロ、そんなに強く体を締め付けないでくれよ。
俺はまだ体がっ、アイデデデッ!
キヨタ!
お前もちょっと腕の力を弱めて、二人ともっ、嬉しい、嬉しいけど、ちょ、苦しい。
二人の腕力で俺のお腹と背中がくっつきそうだ!
俺はまだ病み上がりくんっ、ついでにアイデデ、怪我も完治してねぇから! お前等、グルだろ! 確信犯だろ!