青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
引き攣り笑いを浮かべる俺に構わず色々買って来たのだとキヨタ。
腕に抱えている沢山のペットボトルを見せ付けて、何が良いかと質問してきた。
仕方がなしに上体を起こして舎弟に視線を流す。
その場にジベタリングしたキヨタは、
「スーパーで買ってきたんっス」
前は渡せなかったけど、今回はちゃんと渡せる。
舎弟は得意げに一笑する。
「何がいいッスか? オレンジジュースに、サイダー。アクエリに、緑茶。オレンジジュースは炭酸有無両方あるっス」
どうです?
水分補給ということで、まんまミネラルウォーターも買ってきてみましたよ! 体に良さそうな野菜ジュースもありますッス。
あ、体に良いと言えばコーラとウーロン茶は申し訳ないですけど除外させてもいましたッス。
理由は色にあるっス。
なんか胃に重たそうな色してるッスから!
「此処はサイダーっスかね?」
色的に透明でしかも美味いし爽快感が味わえるっス!
キヨタは選択肢を俺に預けているようで勝手に自分で飲み物を決めてしまうとそれを投げ渡してきた。
キャッチした俺はキヨタの元気の良さに微苦笑を零す。こいつはいつだって元気の塊だよな。
世話掛けたのに、一抹もそれを見せないなんて。
「ごめんな」
さっきはみっともない姿を見せて、俺は蓋を回してペットボトルを開ける。
さすがにさっきの姿はなかったよな、取り乱した姿なんて激カッコ悪だったし。
「俺っち」
ケイさんの姿を見て改めてついて行こうと思いましたよ、キヨタの不可解な言葉に俺は動きを止める。
何を言って…、目を白黒しているとキヨタがアクエリを片手に勢いよく地面を蹴って木材に飛び移る。
どっかり俺の隣に腰を下ろし、「マジッスよ?」おざなりじゃありません、チビ助が蓋に手を掛けてペットボトルを開封。
俺を見上げて頬を崩した。