青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―


呆れるハジメに、「俺はあいつが好かん!」とヨウ。

んなことはとっくに分かってるって。

お前が日賀野と仲が悪いことはすーっごく理解している。

でもハジメ曰く、日賀野達も“不良狩り”について独自に調査を進めている。


もしかしたら何か情報を得ているかもしれない。

交換条件という形で情報を共有するのも手じゃないか、とハジメは意見する。


理屈は納得したようだけど、

「ヤマトに誰が交渉するんだよ」

ヨウは不機嫌のまま疑問を口にした。
簡単に向こうが納得するとは思えない。

ヨウの質問に、ハジメは大丈夫だと満面の笑みを浮かべた。



「ヤマトって楽しい奴が好きだから、楽しい奴に交渉させればいいんだよ。ね? ケイ」



……、弁当を食っていた俺の動きが完全に止まる。
 
ハジメ、さん? 今、なんと仰いまして?

え…、俺が交渉? 俺が誰を?

まさかまさかっ…、俺が日賀野と交渉しろと?


じょ、ジョーダン抜かせ!
ハジメ、お前俺が日賀野のことをスッゲェ苦手にしているの、知っているだろ?! ろ?!

なのに交渉しろとか、お前は本当に俺のお友達か!


「や、ヤだぜ俺! あいつ無理! 絶対無理!」


顔面蒼白。

ガタブルでハジメに訴えるけど、

「今は里見の方がトラウマだろ?」

ならヤマトは大丈夫!
君ならやれると握り拳を作って熱弁された。

そっか、確かに里見の方が恐いかもしれない気がする。

てことは俺、日賀野とお友達になれ…、そうなわけないだろうぉおおお!


あいつは元祖トラウマ不良だぞ!
お友達レベルに達せないんだぞ!

てか、俺の中のフォーエバージャイアンなんだぞ!

絶対に無理!


「だけどね」


ヤマトと一番仲が良いのはケイなんだって。

すっとぼけたことを言うハジメに、「俺はいじめられてるんだよ!」バカヤロウと嘆いて弁当持ったままトンズラ。

愛しのジミニャーノくんの背後に隠れた。

< 767 / 804 >

この作品をシェア

pagetop