青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
目的のためなら人はなんだってできる。
矢島のほの暗い感情が、思わず気持ちを具体化させてしまいそうになる。
二人の目に映っている優しさが底知れぬ優しさというのならば、それは偽り。
まさしく自分達の関係のように。
矢島は目を細めて宙を睨む。余計な感情は捨てるべきだ。
“不良狩り”に手を染めると決めた時から、自分達は非道になると決めていた。
決めていたから。
(次の計画はもう動いている。そのためにはこの二人を……、所詮は不良だ。上手く利用してやるさ)
持っていたカツサンドを膝に置き、
「お前等。午後はサボらないか?」
あんとゲーセンに行こう、二人の頭に手を置いて微笑を向ける。
「あ、行くいく!」
「アンちゃんの奢りでお願いしますね」
同じ表情を返してくれる舎弟二人に目尻を和らげ、矢島は自分に言い聞かせる。言い聞かせ続けた。
上手く利用するために、今はこいつ等を大事してやろう、と。
そう、これは利用される不良への同情心に過ぎないのだ―――…。
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