青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
矢島の言葉にジーンときたのか、
「あんちゃん」
「かっけー!」
「「俺達一生ついて行きます!」」
なーんて歓喜の声を上げていた。
いやぁ、微笑ましいねぇ。心温まるねぇ。
思わず拍手を送りたくなるねぇ。
けどねぇ、君達、根本的なお問題が解決してないんだけど。
「おいテメェ等、そういうやり取りは後でしろ後で。こっちの問題が終わってないだろうが」
「ッハ、妬みか荒川? 所詮お前はこういう弟分もできない、落ちぶれた不良というわけだ」
ピキッ、ヨウの青筋の立つ音が聞こえたよーなー…って、あわわわっ、馬鹿、向こうの嫌味に反応するなヨウ! 座れ、座れって!
立ち上がって第二ラウンドを勃発させようとする舎兄を無理やり座らせて、
「俺はお前を尊敬してるって!」
勿論、仲間もそうだし、何よりモトがお前を敬ってるじゃないか、自信を持てよ。
なーんて励ましを送ったら、矢島が意味深に俺に視線を投げてきた。
な…、なんだよ。
「パシお前、荒川を尊敬なんて…見る目ないな。皆無だ皆無。このまま大人しくこっちのパシでいればいいものを。
そしたら、何かと便利…じゃない。何かと面倒看るというのに。まあ、あんがこいつを伸してしまえばチームも何もかもこっちのものだがな」
「完全に俺、パシリ扱いされてる……てか、もうそっちのパシリじゃないんですから“パシ”って呼ぶのはやめて下さいよ! ケイって名前があるんですよ、俺!
ケイもしくは圭太って呼んで下さい! 苗字でも構いませんから!」
「フン、パシはパシだ。てか、コーラは?」
まだそのパシリ続いてるんですかぁああ?!
俺、ちゃーんと正体を明かしたのにっ…、寧ろ俺に謝る立場なのに、平然とパシリ扱いにしようとする。なんて人だ。
その傍若無人っぷりには舌を巻くぞ、ほんと。
ちなみにコーラはなぁ、お前の弟分に投げ付けたから体育館裏で転がってるよ!
学生料金で割り引かれても、あれ一つ140円してるんだからな!
俺に140円払えよ!
見るからに払ってくれ無さそうだし、俺もチキン…じゃなくて、心優しいから請求しないけどな!