青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―

 
「流石に今のは言い過ぎた。あんもお前のせいではあるが失恋した身だからな。辛い気持ちは分からんでもない。仕方が無い、女の扱い方、伝授してやる」
 
「良かったな、荒川! あんちゃんに教えてもらえるなんて! この幸せ者!」

「敵ながら、こうして女の心得を教えてくれるアンちゃんの寛大な心に感謝しろよ!」



「ちょ…、あんた等…、なんでKY発言バッカ…っ、ヨ、ヨヨヨヨウ! お、落ち着けっ、ほらっ、負け犬の遠吠えとでも思ってさ。さらーっと聞き流…せ、せないですよね…、あははっ…、あー…」



俺、しーらね。


ヨウの顔を見ずに、恐る恐る四つん這いでいそいそと避難。
此処にいると危ない。ぜぇってぇ危ない。

 
んでもってヨウはといえばフッと笑声を漏らした後、満面の笑顔で、否、青筋が立った満面の笑顔を浮かべると、指の関節を鳴らしながらゆらっと立ち上がった。



「そーかそーか、テメェ等全員死にてぇんだな。そーか、そーか、だったらテメェ等っ、全員っ…焼きいれてやるっ。ざけんなぁあああ―――!」



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